焼串
やきぐし
名詞
標準
文例 · 用例
晩の御馳走は、蛙の焼串、小さい子供の指を詰めた蝮の皮、天狗茸と二十日鼠のしめった鼻と青虫の五臓とで作ったサラダ、飲み物は、沼の女の作った青みどろのお酒と、墓穴から出来る硝酸酒とでした。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
ラプンツェルは魔の森に生れ、蛙の焼串や毒茸などを食べて成長し、老婆の盲目的な愛撫の中でわがまま一ぱいに育てられ、森の烏や鹿を相手に遊んで来た、謂わば野育ちの子でありますから、その趣味に於いても、また感覚に於いても、やはり本能的な野蛮なものが在るだろうという事は首肯できます。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
ある店では、ショウウィンドーの中に、焼串に鴫を刺して赤蕪や和蘭芹と一しょに皿に並べてあった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
箱の上の木製の煙出しに入っている、焼串のような棒は、頭髪を一時的一定の形に置くものであり、煙出しの端からぶら下っている真鍮の曲った一片は、顔を剃る時、こまかい毛を入れるもので、床屋はこの端に剃刀をこすりつける。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫
(幌別本町生れ、知里イシュレ※翁談) この附近にも、コタンカ※カムィがヨモギの串で鯨を焼いたら串が折れて尻餅をついた跡だという大きな窪み(22)やその折れた焼串(23)だという海中の岩や、砦や、幣場や祭場だったらしい広場(24)や、フンペサパ(25)と称する鯨祭に関係のあるらしい岬などが存在する。
— ――いわゆる地獄穴について―― 『あの世の入口』 青空文庫
(23)〔Ima'nichi〕 その焼串の義。
— ――いわゆる地獄穴について―― 『あの世の入口』 青空文庫