唾壺
だこ
名詞頻度ランク #24500 · 青空 7 例
標準
spittoon
文例 · 用例
」主税は狼狽えて、くるりと廻って、そそくさ扉を開いて、隣の休憩室の唾壺へ突込んで、喫みさしを揉消して、太く恐縮の体で引返すと、そのボオイを手許へ呼んで、夫人は莞爾々々笑いながら低声で何か命じている。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
折しも唾壺打つ音は、二間ばかりを隔てて甚だ蕭索に聞えぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
置時計、寒暖計、硯、筆、唾壺、汚物入れの丼鉢、呼鈴、まごの手、ハンケチ、その中に目立ちたる毛繻子のはでなる毛蒲団一枚、これは軍艦に居る友達から贈られたのである。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
………紙屑籠………唾壺………小型の瓦斯ストーブなぞ……。
— ――手先表情映画―― 『涙のアリバイ』 青空文庫
「え、善さん」と、西宮も見送りながら、「ふうむ」 三ツばかり先の名代部屋で唾壺の音をさせたかと思うと、びッくりするような大きな欠伸をした。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
僕等の通った二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子も、唾壺も、衣裳箪笥も、上海や漢口の妓館にあるのと殆ど変りは見えなかった。
— 芥川龍之介 『湖南の扇』 青空文庫
また竹は一般に我国に於る唾壺の代用として使用されるが、それは短く切った竹の一節を火壺と一緒に箱に入れた物で、人は慎み深く頭を横に向けてこれを使用し、通常一日使う丈で棄てて了う。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫
すると間もなく、彼の全集が出ると聞いて、喜んだことは勿論ですが、却て忌々しい気もしました。
— 中原中也 『宮沢賢治全集刊行に際して』 青空文庫
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唾壺(だこ)は、もとは唾液や喀痰を吐き入れるための容器であったが、のちに実用性は失ったという。
出典: 唾壺 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0