上辺
じょうへん
名詞
標準
upper side (of a go, chess or othello board)
文例 · 用例
彼の笑といふ笑は哄笑であり、その度に鳩尾の上辺りに垂れてゐる白の、幅広く厚くもある旧式の羽織紐が、トロントロンと揺れた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
先生の消息が暈けているうちは、まだ安心しているとは言いながら、心の底の方では重苦しく気がゝりでありましたが、こう事が顕わになって来ますと、却って気持がさっぱりしてしまって、たゞ上辺だけ、義務観念のように何とかしなくちゃなるまいと忙しそうに思うだけでした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
丁度人に対して物を言う時に用いる反語のように、いっそ娘が憎くなったら好かろうと、心の上辺で思って見るに過ぎない。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
グレシア正教の寺院を沈滞のままに委せて、上辺を真綿にくるむようにして、そっとして置いて、黔首を愚にするとでも云いたい政治をしている。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
さういふ時は自分の生れてから今までした事が、上辺の徒ら事のやうに思はれる。
— 森鴎外 『妄想』 青空文庫
で、若し好いた、惚れたと云ふのは上辺ばかりで、その実は移気な、水臭い者とも知らず、這箇は一心に成つて思窮めてゐる者を、いつか寝返を打れて、突放されるやうな目に遭つたと為たら、その棄てられた者の心の中は、どんなだと思ひますか」 彼の声音は益す震へり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
その上、倭文子が上辺だけは、彼に対して、どんなによそよそしい態度をしていても、彼はカーテンの陰で、彼に対して与えた彼女の微笑を忘れる事は出来なかった。
— 菊池寛 『第二の接吻』 青空文庫
九郎助 上辺はそうなっている。
— 菊池寛 『入れ札』 青空文庫
作例 · 標準
「囲碁の対局で、彼は巧みに上辺を地にして、優勢を築き上げた」
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盤面の上辺に配置された駒が、相手の攻めを封じる重要な役割を果たしている。
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「上辺の戦いで負けなければ、この勝負はまだ分からないぞ」と彼は確信した。
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