何かの縁
なにかのえん
表現名詞
標準
chance encounter (worth treasuring)
文例 · 用例
」二十六 上人は頷きながら呟いて、「いや、まず聞かっしゃい、かの孤家の婦人というは、旧な、これも私には何かの縁があった、あの恐しい魔処へ入ろうという岐道の水が溢れた往来で、百姓が教えて、あすこはその以前医者の家であったというたが、その家の嬢様じゃ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
当家へ入って来たのも、何かの縁であろうからと、勧むれば、亭主は気の好き男にて、一議も無く承引なし、「向側の行当の部屋は、窓の外がすぐ墓原なので、お客がございませんから、幽霊でさえなけりゃ、それへ連れて行って介抱してつかわしましょう。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
勿論、死んだ人々は皆それそれの寿命であって、震災とは何の関係もないのであるかも知れないが、わずかに一年を過ぎないあいだにこうも続々|仆れたのは、やはりかの震災に何かの縁を引いているように思われてならない。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
若い同士のあいだに何かの縁が結ばれていて、屋敷へ帰参が叶うことになれば、二人は逢うことが出来ない。
— 岡本綺堂 『怪談一夜草紙』 青空文庫
死んだ亭主の名は徳之助と云って、二十年ほども前から夫婦連れで国を出て、何かの縁を頼って、初めは江戸の品川に草鞋をぬぎ、それから山の手辺を流れ渡って最後にこの押上村におちついて、十五六年も無事に暮らしていたんです。
— 十五夜御用心 『半七捕物帳』 青空文庫
あの刺青が燈台もと暗しでおれの家の近所で植えつけられたのも、何かの縁だ。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
こうして一緒に朝から酒を呑むのも何かの縁だと思います。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
斯様いう人だったので、若し其儘に歳月を経て世に在ったなら、其の世に老い事に練れるに従って国家有用の材となって、おのずから出世栄達もした事だったろうが、好い松の樹|檜の樹も兎角に何かの縁で心が折られたり止められたりして、そして十二分の発達をせずに異様なものになって終うのが世の常である。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
作例 · 標準
「偶然街で昔の友人に会ったのは、何かの縁だろう。」
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「この二人が結婚したのは、何かの縁に違いない。」
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「この出会いは、何かの縁で結ばれたのかもしれない。」
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