鼻唇
びしん
名詞
標準
文例 · 用例
その鼻の位置を狙つて両側から皺み込む底の深い鼻唇線は彼女の顔の中央に髑髏の凄惨な感じを与へる。
— 岡本かの子 『ダミア』 青空文庫
その鼻の位置を狙って両側から皺み込む底の深い鼻唇線は彼女の顔の中央に髑髏の凄惨な感じを与える。
— 岡本かの子 『巴里の唄うたい』 青空文庫
「――――」 瘠せてうす汚なくなって、ルオーの描いた基督のように、真面目過ぎるが故に、かすかに剽軽にさえ見える葛岡の顔が顰められかけて、それを張り支えるものがあって、急に刻まれた眉根の皺と鼻唇線の深まりを震源地の断層とするものゝように、そこから四方八方へ筋肉の揺ぎが浪打ちます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
悪人諸方を廻り人を殺して、耳鼻唇髪を切り取り、蟒蛇に捧げて自家に招きおらしむ。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
するどい鼻唇線を横にさえぎって固く結ばれた口。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
前額から顱頂にかけて薄くなつた毛髪と、顳※部の手入れした白毛を交へた毛髪と、眉間の溝、鼻唇溝、さういふものまで、あらむ限りの筆力を以て描いてゐる。
— 宇野浩二 『茂吉の一面』 青空文庫