枝炭
えだずみ
名詞
標準
文例 · 用例
お妻は石炭|屑で黒くなり、枝炭のごとく、煤けた姑獲鳥のありさまで、おはぐろ溝の暗夜に立ち、刎橋をしょんぼりと、嬰児を抱いて小浜屋へ立帰る。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
心得て枝炭新たにさしくべ、パタパタと急しく渋団扇ものせば、忽ちにパチパチと勇ましい音して、お誂えの数は揃う。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
街街の柳の葉を揺り落して、錆びたる銅線の如く枝のみを慄はしめ、園の菊を枝炭の如く灰白ませ、家畜の蹄を霜の上にのめらしめて、ああ猶飽くことを知らざるや、冬よ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
焼ぬ昔の雪の枝炭屋の妻程黒からで鈍き作意の炭手前。
— 三遊亭圓朝 『鹽原多助一代記』 青空文庫