お上りさん
おのぼりさん
名詞
標準
countryside people (in town)
文例 · 用例
花ならば咲きも残らず散りも初めぬ十九の春という評判が、日本国中津々浦々までも伝わって、毎年三月の花の頃になると満月の道中姿を見るために洛中洛外の宿屋が、お上りさんで一パイになる。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
レストーランで昼食をしていると、隣の食卓へお上りさんらしい七、八人の一行が陣取った。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
……どうもね、小路の入口に、妙なお上りさんがお二人と思いましたよ。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
が、椿岳の感嘆者また蒐集家としては以上の数氏よりも遅れているが、最も熱心に蒐集したのは銀座の天居といっては誰も余り知るまいが、天金といったら東京の名物の一つとしてお上りさんの赤ゲットにも知られてる旗亭の主人である。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
こういうふうな性の知れたお上りさんのおやじが相手となると、伝六も強くなるからかなわない。
— 卒塔婆を祭った米びつ 『右門捕物帖』 青空文庫
何しろ売り出しと、低価提供時間等で名高いからお上りさんや、山の手に一層有名である。
— 岸田劉生 『新古細句銀座通』 青空文庫
だだっ広い大通りにはお上りさん風情の婦や男たちがぞろぞろと歩いていた。
— 金史良 『光の中に』 青空文庫
そそっかしく下駄を鳴らして歩く内地人(日本人、以下同じ)や、口をぽかんとあけて店先を眺める白衣のお上りさんや、陳列窓に出した目玉の動く人形にびっくりし合う老婆達や、買物に出掛ける内地婦人、ベルの音もけたたましく駆けて行く自転車乗りの小僧に、僅か十銭ばかりの運賃で荷物の奪い合いをする支械軍などで。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
作例 · 標準
花ならば咲きも残らず散りも初めぬ十九の春という評判が、日本国中津々浦々までも伝わって、毎年三月の花の頃になると満月の道中姿を見るために洛中洛外の宿屋が、お上りさんで一パイになる。