延びる
のびる
動詞
標準
文例 · 用例
雲が延びると、裾野のぼやけた緑は、水底に揺らめく青草の波になった。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
それはまるで植物の蔓が延びるみたいに、意識を超越した天然の向日性に似ている。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
しかしその翌日が雨であったり、そうでなくても色々の事に紛れたりしてつい一日二日と延びる。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
少しくらい雑草も生えても、いい木はやはり自然に延びる。
— 寺田寅彦 『スパーク』 青空文庫
交通機関の拡がるのは、風の弱い日の火事の拡がるように全面的ではなくて、不規則な線に沿うて章魚の足のごとく菌糸のごとく播がり、又てづるもづるの触手のごとく延びるのである。
— 寺田寅彦 『猫の穴掘り』 青空文庫
日日が延びると、世間では何のかんのと非難が聞え出す。
— 南部修太郎 『探偵小説の魅力』 青空文庫
こんなひどい仕打ちをされて、世間のもの笑いになってなお生き延びるなんて事はとても出来ません。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
かりそめにも一夜の恩人たちを訴えるわけにもいかず、いや疑う事さえ不埒な事だ、さりとてこのまま生き延びる工夫もつかず、女房、何も言わずに、わしと一緒に死のうじゃないか。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫