御菓子
おかし
名詞
標準
文例 · 用例
「御菓子を持って来い」がどうも分らないが、しかしその前々夜であったかやはり食後の雑談中女中にある到来ものの珍しい菓子を特に指定して持って来させたことはあったのである。
— 寺田寅彦 『夢判断』 青空文庫
驛前の町には「螢五家寶」といふ御菓子を賣る店が並んで居る。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
やっぱり、ずっとつづけて一週間にいちどくらいは、御主人が注文の御菓子をとどけにまいります。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
慰にとのたまふにぞ、苦しき御伽を勤むると思ひつも、石を噛み、砂を嘗むる心地して、珍菜佳肴も味無く、やう/\に伴食すれば、幼君太く興じ給ひ、「何なりとも氣に協ひたるを、飽まで食すべし」と強附け/\、御菓子、濃茶、薄茶、などを籠中所狹きまで給はりつ。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
どうして探り出そう、誰から嗅ぎ出そうと手蔓をたぐって行くうちにね、ゆうべこちらへ御菓子折とかを届けためくらとあの若い野郎とを嗅ぎ当てたんですよ。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
」と女學生流に念を押した御米は、「ぢや御菓子は」と云つて笑ひかけた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
何を探すのだか中々手間が取れさうなので、「ぢや御菓子も廢しにしませう。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
「あなた御菓子食べなくつて」と、しばらくしてから小六の方へ向いて話し掛けたが、「えゝ食べます」と云ふ小六の返事を聞き流して、ついと茶の間へ立つて行つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫