灯明
とうみょう
名詞
標準
light offered to a god or Buddha
文例 · 用例
その灯明り――何と憐れ深い情景であろう。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
千日前から法善寺境内にはいると、そこはまるで地面がずり落ちた様に薄暗く境内にある祠の献納提灯や灯明の明りが寝とぼけた様に揺れていた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
さなきだに梢透きたる樹※を嬲りて夜の嵐の誘へば、はら/\と散る紅葉なんどの空に狂ひて吹き入れられつ、法衣の袖にかゝるもあはれに、又仏前の御灯明の目瞬しつゝ万般のものの黒み渡れるが中に、いと幽なる光を放つも趣きあり。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
そして、夜になるとそれに灯明をつけて、其の前に坐って静にお経をあげていると、其の画像がひらひらと軸の中から抜けだして室の中を廻りはじめた。
— 田中貢太郎 『魔王物語』 青空文庫
老婆は里芋を皿へ盛って仏壇の前へ往き、それをさっきの餅と並べて供え、その並びの棚から油壺を執って、瓦盃に注ぎ、それから火打石でこつこつと火を出して灯明をあげ、それがすむと前に坐って念仏をはじめた。
— 田中貢太郎 『地獄の使』 青空文庫
出席者は泉鏡花、喜多村|緑郎、鈴木|鼓村、市川猿之助、松崎天民などで、蓮の葉に白い強飯を乗せて出し、灯明は電灯を消して盆燈籠を点け、一方に高座を設けて、譚をする者は皆その高座にあがった。
— 田中貢太郎 『怪談会の怪異』 青空文庫
仏壇に灯明をあげて、君枝を起し、一しょに共同水道場で顔をあらって、家へはいると、もう朝飯の支度ができている。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
夜食が終ると、寝るまえの灯明を仏壇へあげる……。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
作例 · 標準
仏壇に灯明を供え、亡くなった家族の冥福を祈った。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
寺院の本堂では、多くの灯明が静かに揺らめき、厳かな雰囲気を醸し出していた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
暗闇の中、わずかな灯明の光が人々の心を照らす。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
ウィキペディア
灯明 とは、神仏に供える灯火をいう。仏教においては、サンスクリット語の「ディーパ」の訳で、闇(無明)を照らす智慧の光とされ、重要な供養のひとつとされる。灯明は古くは油をともす油皿(あぶらざら)が使われていたが、現在は、ろうそくまたは電球によるものが多い。
出典: 灯明 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0