按ずる
あんずる
動詞
標準
文例 · 用例
按ずるに、霧の凝結する核となる塵埃中にはいろいろ香や臭のあるものもあってこれが鼻感を刺戟する場合があるのでそう云ったものではあるまいか。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
二十七 それ熟々、史を按ずるに、城なり、陣所、戦場なり、軍は婦の出る方が大概|敗ける。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
按ずるに日本橋の上へは、困った浪花節の大高源吾が臆面もなく顕れるのであるが、いまだ幸に西河岸へ定九郎の出た唄を聞かぬ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
事の起因を按ずるに、去年秋雨の降くらす、奥の座敷に、女ばかり総勢九人、しかも二組になって御法度の花骨牌。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
地誌を按ずるに、摩耶山は武庫郡六甲山の西南に当りて、雲白く聳えたる峰の名なり。
— 泉鏡花 『一景話題』 青空文庫
按ずるに煽ぐという字は火偏に扇である、しかればますます奴の※が盛になっても、消えて鎮まるべき道理はないが、そのかかることをいい、さることを為すは、深き仔細があったので。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
今|梁書を按ずるに、此事を載せず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
然しまだ苦んだ顔にはならぬ、碁の手でも按ずるような沈んだのみの顔であった。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫