口早
くちばや
形容動詞名詞
標準
fast (talking)
文例 · 用例
」と河田翁は口早に言って、急に声を潜め、あたりをきょろきょろ見回しながら、「実はわたし、このごろある婦人会の集金係をしているのですから、毎日毎日東京じゅうをへめぐらされるので、この年ではとてもやり切れなくなりました、そこでも少し楽な仕事をと頼んで歩きましたら、やっとうまい口が発見ったんです。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
早くあけてくれ」と、外では小声で口早に云った。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
些と気になるのは、この家あたりの暮向きでは、これがつい通りの風俗で、誰も怪しみはしないけれども、畳の上を尻端折、前垂で膝を隠したばかりで、湯具をそのままの足を、茶の間と店の敷居で留めて、立ち身のなりで口早なものの言いよう。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
」口早に言って花束を手渡してやっても、あの子はぼんやりしていますので、私は、矢庭にあの子をぶん殴りたく思いました。
— 太宰治 『兄たち』 青空文庫
もうね、女学校時代からなのよ、ご存じだったのね、などとひとりで口早に言い始めて、私が何も知ってやしないのに、洗いざらい、みんな話して下さいました。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
」 山猫は、鮭の頭でなくて、まあよかったというように、口早に馬車別当に云いました。
— 宮沢賢治 『どんぐりと山猫』 青空文庫
お清はお源を見て「お源さん大変顔色が悪いね、どうか仕たの」「昨日から少し風邪を引たもんですから……」「用心なさいよ、それは不可い」 お徳は「お早う」と口早に挨拶したきり何も言わない、そしてお源が炭俵の並べてないのに気が着き顔色を変えて眼をぎょろぎょろさしているのを見て、にやり笑った。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
而して口早に女中に留守の事を色々頼まうとしたが、結局どれ程綿密に注意をして置いても、出來るだけの事より出來ないと思つて、唯「留守をしつかり頼むよ」とだけいつてベランダに出た。
— 有島武郎 『小さき影』 青空文庫
作例 · 標準
緊張のせいか、彼女はいつもより口早にプレゼンテーションを進めた。
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彼は口早に指示を出すと、返事も待たずに足早に去っていった。
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犯人は口早に支離滅裂な弁明を繰り返し、捜査員を翻弄した。
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