片葉
かたは
名詞
標準
文例 · 用例
若紳士が言ったのは、例の、おいてけ堀、片葉の蘆、足洗い屋敷、埋蔵の溝、小豆婆、送り提燈とともに、土地の七不思議に数えられた、幻の音曲である。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
後がたちまち真暗になるのが、白の一重芥子がぱらりと散って、一片葉の上に留りながら、ほろほろと落ちる風情。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
誰でも知っているのは、置いてけ堀、片葉の芦、一つ提灯、狸ばやし、足洗い屋敷ぐらいのもので、ほかの二つは頗る曖昧です。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
宮城野の萩、末の松山の松、実方中将の墓に生うる片葉の薄、野田の玉川の葭、名取りの蓼、この五種を軸としたもので、今では一年の産額十万円に達していると云う。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
神はをとめを路しばの片葉とだにも見給はじ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
楊の木4・26(夕) 摂津の大物が浦に片葉の蘆しか生きないといふ伝説は古い蘆刈の物語に載つてゐる。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
見果てぬ夢過ぎし日のしづこころなき口笛は日もすがら葦の片葉の鳴るごとく、ジブシイの晝のゆめにも顫ふらん。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
導者あちこち尋ねゆきて、片葉と稱する茸を採りしが、夜、羹となりて、膳に上る。
— 大町桂月 『赤城山』 青空文庫