括り猿
くくりざる
名詞
標準
文例 · 用例
こつちを溜池へぶち込む前に、そつちが山王の括り猿、御子供衆のお土産にならねえやうに覚悟をしなせえ。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
大師の達摩、雑司ヶ|谷の薄の木兎、亀戸の浮人形、柴又の括り猿のたぐい、皆な私の見逃されないものです。
— 岡本綺堂 『我楽多玩具』 青空文庫
ある博徒いわく、得手吉は得而吉で延喜がよい、括り猿というから毎々縛らるるを忌んで猴をわれらは嫌うと。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
庚申堂に捧ぐる三角の袋|括り猿など、パンジャブ辺でも邪視を防ぐの具で、一つは庚申の避邪力を増さんため、一つは参詣者へ庚申の眼毒が強く中らぬべき備えと知らる。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
お堂の中には、小指の先ほどの括り猿や、千代紙で折った、これも小さな折鶴を繋いだのが、幾つともなく天井から下っています。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
明智小五郎 蘭子はからだを括り猿のように丸く縮めて、脱衣室の隅っこに小さくなったまま、じりじりと迫ってくる怪物の恐ろしい形相を、まるで眼に見えぬ糸で視線をつながれでもしたように、まじろぎもせず見つめていた。
— 江戸川乱歩 『人間豹』 青空文庫
こっちを溜池へ打ち込む前に、そっちが山王のくくり猿、お子供衆の御土産にならねえように覚悟をしなせえ」 相手に嘲られて、播磨はいよいよ急いた。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
ひぢりめんのくくり猿をつけた大巾ちりめんの大旗や、出車もでた。
— 長谷川時雨 『大丸呉服店』 青空文庫