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簷下

簷下
名詞
1
標準
文例 · 用例
秋成は、立ち上つて覚束ない眼で斜めに足の踏み先きを見定めながら簷下へ湯鑵の水を替へに行つた。
岡本かの子 上田秋成の晩年 青空文庫
どぶ板のいつもこわれているあたりに、年中戸が半分締めてある、薄暗い家があって、夜その前を通って見れば、簷下に車の附いた屋台が挽き込んであるので、そうでなくても狭い露地を、体を斜にして通らなくてはならない。
森鴎外 青空文庫
例の簷下に引き入れてあった屋台が、夜通って見てもなくなった。
森鴎外 青空文庫
八は暫く様子を見てゐて、穿いてゐた下駄を脱いで、厩の簷下に置いて、竹藪の中に這入つた。
森鴎外 金貨 青空文庫
そして、朝になって皆より早く起きた老婆が庖厨口の戸を開けてみると、簷下に一|疋の獣が死んでいた。
田中貢太郎 狐の手帳 青空文庫
許宣は四聖観の簷下へ往って立っていたが、雨はしだいに濃くなってきて、雨隙がきそうにも思われなかった。
田中貢太郎 雷峯塔物語 青空文庫
許宣はしかたなしに鞋を脱ぎ襪も除って、それをいっしょに縛って腰に著け、赤脚になって四聖観の簷下を離れて走りおりた。
田中貢太郎 雷峯塔物語 青空文庫
許宣は気が注いて船頭に一言二言別れの詞をかけて、楊柳の陰から走り出て湧金門を入り、ぎっしり簷を並べた民家の一方の簷下を歩いた。
田中貢太郎 雷峯塔物語 青空文庫