漕ぎ出る
こぎでる
動詞
標準
文例 · 用例
ふだんから室子は結局のところは男に敵わないと思っていたが、この青年は抜群の腕と見えて、彼女の左舷の方に漕ぎ出ると、オールへ水の引掛け方も従容と、室子の艇の、左舷の四分の一の辺へ、艇頭を定めると、ほとんど半メートルの差もなく漕ぎ連れて来る。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
暴飲の海に帆を揚げて漕ぎ出る漠々たる郷愁の楼船。
— 仏蘭西近代抒情詩選 『珊瑚集』 青空文庫
漕ぎ出ることの出来ぬ海えの探求は、南え向えば向うほど、大圏を描いて出発点に帰ってくることになる。
— 槇村浩 『華厳経と法華経』 青空文庫
橋の上は水の面も見えぬまでに、さんざめく船と船、これから夜櫻見物に漕ぎ出るのでせう。
— 花見の果て 『錢形平次捕物控』 青空文庫
やがて、 大川へ漕ぎ出ると、河岸を尾行て来た人影は、どこへ散ったか、見えなくなった。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫