舎馬
しゃば
名詞
標準
文例 · 用例
松田にもほど近からし、田舎馬車|角吹きにけり。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
七 真鶴から湯河原迄の軽便の汽車の中でも、駅から湯の宿までの、田舎馬車の中でも、信一郎の頭は混乱と興奮とで、一杯になつてゐた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
七 真鶴から湯河原|迄の軽便の汽車の中でも、駅から湯の宿までの、田舎馬車の中でも、信一郎の頭は混乱と興奮とで、一杯になっていた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
鈴々舎馬風もこの二つのギヤツプを埋め得ないため、あんな風に、先輩落語家の物真似でその日を糊塗してゐるやうだ。
— 武田麟太郎 『落語家たち』 青空文庫
その子供達は、百姓の手に馭された田舎馬車や荷馬車に乗っかっている他の子供達に声を掛けていた。
— A CHRISTMAS CAROL 『クリスマス・カロル』 青空文庫
田舎馬車を探しに行ったり、修繕したり、金を払ったり、駅逓で茶を飲んだり、庭番と話をしたり、こういうことが、ひとしおわたしの気を紛らしてくれました。
— KREITSEROVA SONATA 『クロイツェル・ソナタ』 青空文庫
春風秋雨二千年、さてこの頃の噺家さんは、処世に長けて貯金に秀いで、節倹は経済の基を論じ、自ら常識の地獄に堕ちて、五大洲にも誇るべき、花咲く荒唐なんせんす芸術、「落語」の情操をいたずらに、我と汚しつつあるの秋、巨人|鈴々舎馬風あり、珍人橘の百圓あり、一は豪放でたらめにして、一は変才煥発なり。
— 正岡容 『寄席行燈』 青空文庫
肩ぐるまでそば屋の行灯消しはなかなかの努力、田舎馬の後方から尻尾抜き、これはトンボをゆわえる貴重な材料、滅法高い竹馬で他人の家の塀のぞき、いとも罪なのは按摩の頭へ笊冠せ、竹竿でたたき落す夕方の蝙蝠取り、いずれ悪太郎の本性、気の毒も可哀想もあったものでなし。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫