寒からしめる
さむからしめる
動詞-一段
標準
to make cold
文例 · 用例
その彼の言葉が若しも聞えたならば、凡そ僕等の心胆を寒からしめる類ひに相違ないのだらうが、聞えぬぶんには至極長閑で、無声映画を見物するやうでもあり、またこちらの仕事の助手を見つけたかの体裁でもあつた。
— 牧野信一 『沼辺より』 青空文庫
しかし、駒井にまだわかりきらないところも、白雲には、いよいよ心胆を寒からしめるほどに深く突込まれるものがあるのです。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
従って、今更に獅子舞の起原とか目的とかを、考証せんと企てることは、所謂六菖十菊の愚を敢てするものとして、いたずらに識者の歯を寒からしめるのであるかは知らぬが、下世話に言う枯れ木も山の賑やかしとやら、笑われるのもまた学問のためと観念して、ここに管見を記して高叱を仰ぐとする。
— 中山太郎 『獅子舞雑考』 青空文庫
二階の博刃は今し高潮に達したとみえ、ふみきる跫音、鉄とあらがねの相撃ちきしみあうひびき、人の心胆を寒からしめる殺気、刀気……ののしるこえ、物を投げる音!
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
これには、さすが刃魔の心臓をすら寒からしめるものがあったとみえて、ひとり眼ざめて夢判断をしていた左膳が、思わずブルルル!
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
さて、器体の仕事はと器体にのみ眼を移しますと、これは両者とも、その製作には嫌味はないと言うだけのもので、別段とりたてて賞するほどの皿ではありませんけれども、その着けられた絵の力に至りましては、吾人製陶に関係ある者の心胆を寒からしめるだけの価値を持っております。
— 北大路魯山人 『古器観道楽』 青空文庫
そこに暗い室内から嗄れた囁き声が聞こえ、なぜかしら、その声にはどこか聞く者をして徹頭徹尾心胆寒からしめるものがあった。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
その理由は、新九郎のいわゆる一心大胆が遮るのでもあろうが、河内房の老練な眼から見た新九郎の構えというものは、実に彼の内心を寒からしめるものがあったからである。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
作例 · 標準
この部屋は窓が開いているので、室内の空気を寒からしめる。
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夜の冷気が肌を寒からしめ、思わず身震いした。
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氷点下の風が、旅人の体を寒からしめる。
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