押しも押されもせぬ
おしもおされもせぬ
表現形容詞-語幹
標準
of established reputation
文例 · 用例
きかせばや信田の森のふる寺の小夜ふけがたの雪のひゞきを 斯くて三十四歳の時は、押しも押されもせぬ一廉の禅師になり、亡師のあとを継いで松蔭寺の住職となり、まだ破れ寺ではあるが、そこに蟠※してぽつぽつ集って来た雲水に向って教育をはじめた頃である。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
押しも押されもせぬ文豪のおもかげがある。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
通夜の晩などに湊屋が来ると、棺の中の仏様までも腹を抱えるという位で、博多魚市場の押しも押されもせぬ大親分として、使っても使っても使い切れぬ金が、二三万も溜まっていようかという身分になった。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
元来無器用な人であったらしく、狂言から仕手方に転向した上村又次郎氏と共にいつも翁から叱られるので有名であったが、それでも屈せず撓まぬ勉強によって福岡地方で押しも押されもせぬ師家になられた事実が、同時に有名であった。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
そのマダムは、その御主人と共々に、社交界でも飛び切りにリファインされた、押しも押されもせぬカプルと評価づけられておりましたが、それだけにその御主人が隠れ遊びをされる方法とても、実にリファインされたものでした。
— 夢野久作 『奥様探偵術』 青空文庫
父の賜によって、将来世に立ち、まず押しも押されもせぬ人間一生をかく通り越し来たことは心に感謝する次第であります。
— 一度家に帰り父に誡められたはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
やがてのことに肥った男は神と国家への奉公を終え、世間的な尊敬を贏ち得て目出たく職を退くと、田舎へひっこんで地主になる――つまり、押しも押されもせぬロシアの旦那衆として納まり、お客好きの地主となって、後生安楽に余生を送ることになる。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
しかもこの三箇条の加入規約は、人間の全身三十兆の細胞が、祖先伝来の不文律として、非常識なほど極端に遵奉しているものであるが、しかもこの簡単な三箇条が呑み込めさえすれば、諸君はモウ立派な一人前の、押しも押されもせぬ脳髄学大博士になれるのだ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
作例 · 標準
例句