将殿
しょうでん
名詞
標準
文例 · 用例
平生も晴れ晴れしくふるまう人ではないが、こんなふうであるために、「どうしたことでしょう」 などと言い、尼君が僧都の手紙を開いて読むと、今朝この寺へ右大将殿がおいでになりまして、あなたのことをお聞きになりましたため、初めからのことをくわしく皆お話しいたしました。
— 夢の浮橋 『源氏物語』 青空文庫
志の厚薄は、音物の額と比例いたすよう、考えられましてございます」「彦根中将殿は寛濶でござって、眼ざましい物を贈ってくだされた。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
昨日まで四位少将であった人が今日は三位中将殿になっている。
— 柳田國男 『名字の話』 青空文庫
或時八條堀河の御堂に御参りに来て守護の武士に云うには「私は三位の中将殿の御やしきに数年召つかわれた侍の木工右馬の允と云う者です。
— 宮本百合子訳 『「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)』 青空文庫
けれ共うそかほんとうか三位の中将殿が都に御出になるのももう一日二日だとかきいて居りました。
— 宮本百合子訳 『「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)』 青空文庫
どうか御情で御ゆるし下さってもう一度御目にかかりたいと思って居るんですがいかがでございましょう」と云うと守護の士は「ナニ、腰の刀さえ置いていらっしゃればかまいませんよ、御やすい事です」と申したので正時はそれならばと腰の物を土肥の次郎にあずけて三位の中将殿に御目にかかる。
— 宮本百合子訳 『「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)』 青空文庫
副将殿は、一先ず緒方三郎|惟義にまでお預けと決まったので、今夜のうちにお移り願いたい。
— 第十一巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
さすれば、生捕り、首級などは、第一番に義経の見参にいるべきなのに、何故、あの役にも立たぬ、でくの棒の蒲殿に見せることがあろうか、本三位中将殿を当方へお渡しできぬとあっては、義経の沽券にかかわる。
— 第十一巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫