棄去
ききょ
名詞
標準
文例 · 用例
彼の持たるダイアモンドはさせる大いなる者ならざれど、その棄去りし人の誠は量無きものなりしが、嗟乎、今|何処に在りや。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
しかしわたくしは大正十二、三年の世にあってたまたまこれを聞くに及んで、そのままこれを棄去るに忍びない心地がした。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
何度となくこれはとんでもない妄想の大系なのだ、パラノイア患者の悪夢の集積なのだと決めつけながら、その度に心の隅ではどうしても棄去できずに温めてきた秘密の思想。
— 太田健一 『脳細胞日記』 青空文庫