鶴唳
かくれい
名詞
標準
文例 · 用例
風の音に、鶴唳に、おどかされおびやかされ、一生涯、滑稽な罪悪感と闘いつづけて行かなければなるまい。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
風の音に、鶴唳に、おどかされおびやかされ、一生涯、滑稽な罪悪感と闘ひつづけて行かなければなるまい。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
二者の間、既に是の如し、風声鶴唳、人|相驚かんと欲し、剣光|火影、世|漸く将に乱れんとす。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
格之介の逃亡の理由が分かるにつれ、桑名藩士も官軍の人たちも、格之介が風声鶴唳におどろいて逃走を企て、捨てぬでもよい命を捨てたことを冷笑した。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
」と、写真班の一人が叫んで、走り出すと、皆は風声鶴唳と云う有様で、バタ/\と下車しかけて居る乗客を押しのけながら、列車の後方を目がけて駆け出しました。
— 菊池寛 『たちあな姫』 青空文庫
浪士らの勢いのさかんな時は二十里ずつの距離の外に屏息し、徐行|逗留してあえて近づこうともせず、いわゆる風声鶴唳にも胆が身に添わなかったほどでありながら、いったん浪士らが金沢藩に降ったと見ると、虎の威を借りて刑戮をほしいままにするとはなんという卑怯さだと。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
私が暗殺を心配したのは毎度の事で、或は風声鶴唳にも驚きました。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
他人の常言も我耳に新しく、恐るべきを恐れず、悦ぶべきを悦ばず、風声|鶴唳を聞きて走るの笑をとることあり。
— 福沢諭吉 『学校の説』 青空文庫