藪柑子
やぶこうじ異読 ヤブコウジ
名詞
標準
spearflower (Ardisia japonica)
文例 · 用例
ずっと前の話であるが、『藪柑子集』中の「嵐」という小品の中に、港内に碇泊している船の帆柱に青い火が灯っているという意味のことを書いてあるのに対して、船舶の燈火に関する取締規則を詳しく調べた結果、本文のごとき場合は有り得ないという結論に達したから訂正したらいいだろうと云ってよこした人があった。
— 寺田寅彦 『随筆難』 青空文庫
杉の根方には藪柑子、匂ひのないのぎ蘭、すぎごけ、……數々の矮小な自然が生えてゐた。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
それはどこかの山から取って来た熊笹だか藪柑子だかといっしょに偶然くっついて運ばれて来た小さな芽ばえがだんだんに自然に生長したものである。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
貝細工のような福寿草よりも、せせこましい枝ぶりをした鉢の梅よりも、私は、藁で束ねた藪柑子の輝く色彩をまたなく美しいものと思った。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
おやと思っているうちに、手早く書架からそれを引っこ抜いてから、しばらく内容を点検していたが、やがて、それをそっと元の穴へ返した、と思うと、今度は、すぐ左隣の「藪柑子集」を抽き出して、これもしばらくページをめくっていたが、やがてまた元の空隙へ押しこんだ。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
それよりも、もしあの学生が「藪柑子集」を読んだとしたら、その内容から自然に想像するであろうと思われる若い昔の藪柑子君の面影と、今ここで、水ばなをすすりながら「性的犯罪考」などをあさっている年取った現在の自分の姿との対照を考えると、はなはだ滑稽でもあり、また少しさびしくもあった。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
而して此等の木々の根がたには篠や虎杖が生え、まんりやう藪柑子が群がり、所によつては羊歯が密生してをる。
— 若山牧水 『沼津千本松原』 青空文庫
茅萱が美しい色に枯れ、万両や藪柑子の実の熟れて来る冬もいゝ。
— 若山牧水 『沼津千本松原』 青空文庫
作例 · 標準
冬の庭でも、藪柑子の赤い実が彩りを添えている。
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祖母の家の庭には、昔から藪柑子の株がたくさんあった。
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この薬草は、民間療法で用いられることがあるが、専門家の指導のもとで使用するのが望ましい。
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