円熟した
えんじゅくした
形容詞-語幹
標準
mellow
文例 · 用例
また渋味は、自然界にあっては不熟の味である場合が多いが、精神界にあってはしばしば円熟した趣味である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
陽は午後の円熟した光を一雫のおしみもなく、その旺溢した黄金色の全幅にそそぎかけている。
— 岡本かの子 『高原の太陽』 青空文庫
無理にそんな声を出しているとしか思えぬ、しわがれた悩ましい声は、なにもかも知りつくしたような円熟した女の底の深さを囁いて、佐古の好奇心を刺戟した。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
「人形つかひ」では、現代の娘とは似ても似つかぬ内気な娘が、そつと覗きこんでゐるし「花ざかり」では婚期の円熟した娘であらうが、尚母親の後にしがみついて、美しい羞恥を示してゐる、さういふ情景や、情趣は現代では全く見ることが不可能である。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
その思想と伎倆の最も円熟した時、後代に捧ぐべき代表的傑作として、ハムレットを捕えたシェクスピアは、人の心の裏表を見知る詩人としての資格を立派に成就した人である。
— 有島武郎 『二つの道』 青空文庫
自分の家を出て他所へ「往く」その時のこころもちと、わが家へ「還る」その気もち、真理を求めて往くそのすがたと、真理を把み得て還るその姿、若々しい青年の釈尊と、円熟した晩年の釈尊、私はこの『華厳経』と『法華経』を手にするたびに、いつもそうした感じをまざまざと味わうのです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
円熟した内面生活の全幅がこの期間に披瀝されたと思う。
— 宮本百合子 『漱石の「行人」について』 青空文庫
この遺歌集の最後の二首は、また氏の最後のものらしく円熟した透明な名残りをとどめている。
— 横光利一 『睡蓮』 青空文庫
作例 · 標準
彼の演技は年々円熟味を増し、観客を魅了する。
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円熟したチーズは、独特の深みと香りを放つ。
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円熟したアスリートは、精神面でも若手を引っ張っていく。
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彼女の円熟した意見は、会議でいつも重要な役割を果たす。
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