罌
罌
名詞
標準
文例 · 用例
白い壁に、罌粟の花の油絵と、裸婦の油絵が掛けられている。
— 太宰治 『故郷』 青空文庫
たけの頬は、やつぱり赤くて、さうして、右の眼蓋の上には、小さい罌粟粒ほどの赤いほくろが、ちやんとある。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
まんなかに大きい富士、その下に小さい、罌粟の花ふたつ。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
笑ひをこらへて、レンズをのぞけば、罌粟の花、いよいよ澄まして、固くなつてゐる。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
朱色の罌粟や赤椿などは前者の例であり、紫色の金魚草やロベリアなどは後者の例である。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
それで、茶具の数も、定めの数の二十具を減して十六にし、また、十二具にし、やぶれた都籠から取出したのはぎりぎり間に合せの茶瓶、茶盞、茶罌ぐらゐの数に過ぎなかつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
彼はゆつたりと坐つて作法のやうに受汚で茶盞を拭ひ、茶瓶の蓋を開けて中を吟味し、分茶盒と茶罌を膝元に引付けた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
優雅な蒲公英や可憐な赤まま草を、罌粟や撫子と優劣をつけたろう。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫