舟子
しゅうし
名詞
標準
文例 · 用例
北海道|歌志内の鉱夫、大連湾頭の青年漁夫、番匠川の瘤ある舟子など僕が一々この原稿にあるだけを詳しく話すなら夜が明けてしまうよ。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
丸き目、深き皺、太き鼻、逞ましき舟子なり。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
早速金で傭はれた其邊の舟子共幾人は魚の如く水底を潛つて手に觸れる石といふ石は悉く岸に拾ひ上られた。
— 國木田獨歩 『石清虚』 青空文庫
我等の至れるを見て舟子は急がはしく立ち出で、柳橋の上に良久しく佇みて四方の空のさまを見めぐらす。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
舟子やがて橋より下り来て、悪しかりし空のさまも悉く変りて今は少しも虞れ無くなりぬ、雨は必ず快く霽るべし、風は必ず好きほどに吹くべし、いざ船に召し玉へと心強く云へば、弟も我も笑みかたぶきて父上とも/″\船に乗る。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
風の向き好くなりぬ、帆を揚げんとて、舟子帆をあぐ。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
幸福多かるべきかな舟の上の活計や、日に/\今朝の如くならんには我は櫓をとり舵を操りて、夕の霧、旦の潮烟りが中に五十年の皮袋を埋め果てんかなと我知らず云ひ出づれば、父上は何とも応へ玉はで唯笑ひ玉ふ、弟はひたすら物食ふ、舟子は聞かざるが如く煙草管啣みて空嘯けり。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
舟子はやがて好しと思ふところに船をとゞめて、は一人乗の小舟を漕ぎ出して、こゝぞと思ふところに碇を下し、いと静かにして釣るに、其獲るところ必しも「きゃたつ」釣りに劣らずといふ。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫