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滝つ瀬

たきつせ
名詞
1
標準
文例 · 用例
やがてミシミシという音響を発して真ン中の部分がまず頽れ始め、続いて、緑色の鉄と、煙を吐きつつある石炭と、真鍮製附属品と、車輪と木片と長腰掛とが、奈落の底をめがけて、滝つ瀬のようにくだけ落ちて行った。
コナン・ドイル 臨時急行列車の紛失 青空文庫
南より流れ落る水は滝つ瀬をなしたるが、ここにて、その響のたゞならぬを聴く、これ松浦川の上流。
蒲原有明 松浦あがた 青空文庫
……私はここでは幾つかの滝つ瀬を思い起こすにとどめよう。
VIE DE BEETHOVEN ベートーヴェンの生涯 青空文庫
追い廻す腕、逃げまどう肌、ある時は、密着した頬と頬との間に、鹽っぱい涙が混り合い、胸と胸とが狂わしき動悸の拍子を合せ、その滝つ瀬のあぶら汗は、二人の身体をなまこの様なドロドロのものに解きほぐして行くかと見えました。
江戸川乱歩 パノラマ島綺譚 青空文庫
数十丈の懸崖を落る、人工の滝つ瀬、張りボテの大山脈、薄暗い杉並木、竹藪、大きな池、深い谷底、そこに天然の如く生茂る青葉、薫る菊花、そして、無数の生人形だ。
江戸川乱歩 吸血鬼 青空文庫
切岸から、飛び込む肉塊の群、舟の上から透いて見える池中の人魚共、魚紋と乱れる水中男女の「子を取ろ、子取ろ」、人間の滝つ瀬と落下するウォーターシュートの水しぶき……客達は已にして、夢の如き別世界を感じるのだ。
江戸川乱歩 地獄風景 青空文庫