識閾
しきいき
名詞
標準
threshold of consciousness
文例 · 用例
いったん、外来語が社会的識閾へ上って常識化されてしまうと便利であるから誰しも使うようになる。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
要するにこれらのモンタージュの要訣は、二つの心像の識閾の下に隠れた潜在意識的な領域の触接作用によってそこに二つのものの「化合物」にも比較さるべき新しいものを生ずるということである。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
識閾の上層だけでつながったものは、つまり一つの静的な像である。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
これに反してたとえ識閾の上では単調な画面を繰り返していても、その底を流れる情緒の加速運動があれば観客は知らず知らずつり込まれ引きずられて行く。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
一つ一つの意識的な具象からは識閾の下に無数の根を引いており、その根の一つ一つはまた他のたくさんの具象の根と連結されている。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
さび、しおり、おもかげ、余情等種々な符号で現わされたものはすべて対象の表層における識閾よりも以下に潜在する真実の相貌であって、しかも、それは散文的な言葉では言い現わすことができなくてほんとうの純粋の意味での詩によってのみ現わされうるものである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
八 最後に、かかる利潤対象としての大衆性のもつそれではなくして、あたかも識閾下に抑圧して睡らされたる人間的慾望のごとく、あらゆる生産機構の下に摘発をさまたげられている世界感の一群がある。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
承知しての方が、まだ始末がよいので、意識に上ったところでは、本当に知らなくて、識閾の下で欲望に甘えている点が困るのである。
— 中谷宇吉郎 『無知』 青空文庫
作例 · 標準
夢と現実の識閾をさまようような感覚に襲われた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼の言葉は、私の識閾に深く刻み込まれた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
潜在意識下の情報が、ある瞬間に識閾を超えることがある。
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