目睹
もくと
名詞
標準
文例 · 用例
何でこの状を目睹して躊躇すべき。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
すなわちかりにここに微小な人間があって物質分子の間に立ち交じり原子内のエレクトロンの運動を目睹しているがその視力は分子距離以外に及ばぬと想像する。
— 寺田寅彦 『物理学と感覚』 青空文庫
惜福の工夫十分なる人が、福運の來訪を受くること多きは、實際の事實で有つて、遠く史上の古人に就て之を檢覈するを須ひず、近く吾人の目睹耳聞するところの今人に就て之を考査すれば、直に明瞭なることであるが、分福の工夫十分なる人が、好運の來訪を受くること多きも、亦明白なる事實である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
即ち頽廢の意趣感情を含めるものを目睹耳聞する場合には、同じく頽廢的になり、奮激緊張の意趣感情を含めるものを睹聞する場合には、同じく奮激緊張せんとするのであり、幽玄の作品や樂曲に接しては、又同じく幽玄の心緒を動かされ、輕佻淫靡の作品や樂曲に接しては、又同じく輕佻淫靡の心を唆り立てられるのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
蘭軒は平洲の墓誌銘を目睹して、士幹と書してゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
しかし若し三種の書が未だ全く湮滅せずにゐて、他日一たび発見せられ、わたくしがこれを目睹することを得たならば、微顕闡幽の真目的は此に始て達せられるであらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
是がわたくしの目睹した唯一の慊堂の尺牘である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
アレカラ先き当分露国に滞留して革命にも遭逢し、労農政府の明暗両方面をも目睹したなら、その露国観は必ず一転回して刮目すべきものがあったであろう。
— 内田魯庵 『二葉亭追録』 青空文庫