飛出
とびで
名詞
標準
文例 · 用例
ああやっている方が、急に飛出すときに身体の釣合をとるために好都合かとも思ってみる。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
それが飛出す前にはまた振動をはじめる。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
ベルリンの美術館などの入口の脇の壁面に数寸角の金属板が蝋燭立かなんかのように飛出しているのを何かと思ったら、入場者が吸いさしのシガーを乗っけておく棚であった。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
しかしメストロウィークを崩したような大物になると、どうにも自分などのようなものの好意の圏外に飛出してしまう。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
聞いてみるとかなりひどいゆれ方で居間の唐紙がすっかり倒れ、猫が驚いて庭へ飛出したが、我家の人々は飛出さなかった。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
と、叫びながら狂気のように黄は彼女の後を追いかけたが、手擲弾のようなマリの靴を向脛に見まわれて跛をひきながら彼は街路に飛出した。
— 吉行エイスケ 『スポールティフな娼婦』 青空文庫
するとアダがくすくす忍びわらいして可笑しさがこみあげると、私の脚を嫌というほど蹴って、それからくるりと後向きになるとアダはセルビア戦争で使用したような鼻を鳴らして部屋から飛出してしまった。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
突然レムブルグが悲鳴をあげて廊下に飛出す、米良はバルコニに駈け上ると暈れた空気に蒼白めた闘争に窶れた同志の死体が沈むのを見た。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫