羸
羸
名詞
標準
文例 · 用例
――私達はK自身の羸ち得た或る幸福に就いて、絶えず語り續けた。
— 南部修太郎 『霧の夜に』 青空文庫
「あの老人の身に降りかかつた不幸、また僕がSを却けてI子を羸ち得た幸福、それも同じやうなただ一つの運命の操りの糸か知ら……」と、明るい電車通に出た時、ふとKが口を切つた。
— 南部修太郎 『霧の夜に』 青空文庫
渠はこの介抱を主の嫗に嘱みて、その身は息をも継かず再び羸馬に策ちて、もと来し路を急ぎけり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
子供は癇持ちらしい鋭く羸弱な子でした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
もしあっても、恐らく永い間には愛の気魄に負かされて精神|羸弱者になってしまっただろうと。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
或時談此の事に及べば、道士笑うて曰く、それ馬は、日に行くこと百里にして猶羸るゝを性とす。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
局勢已に羸れなば、精を専にして生を求めよ。
— 幸田露伴 『囲碁雑考』 青空文庫
生活に逐はれて坐業をのみ執り居る爲に、運動不足で、筋肉弛緩を致し、所謂羸弱になつて悄然としてゐる、同情すべきものもある。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫