姿絵
すがたえ
名詞
標準
portrait
文例 · 用例
六 乱れ髪 亭主の叫びし声を怪しみ、慌しく来る旅店の内儀、「まあ何事でござんすの、と洋燈を点けて据え置きながら、床の間の方を見るや否や、「ン、と反返るを抱き止めて、泰助|屹と振返れば、柱隠しの姿絵という風情にて、床柱に凭れて立つ、あら怪しき婦人ありけり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
秀吉が姿絵を氏郷の造らせたということを聞いて感涙を墜したというのも、何だか一寸考えどころの有るようだが、全くの感涙とも思われる。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
その二の腕、顔、襟、頸、膚に白い処は云うまでもない、袖、褄の、艶に色めく姿、爪尖まで、――さながら、細い黒髪の毛筋をもって、線を引いて、描き取った姿絵のようであった。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
彼の姿絵を、床の下に敷きながら、焦れ死んだ娘や、彼に対する恋の叶わぬ悲しみから、清水の舞台から身を投げた女さえない事はない。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
あるとき、豊国は蔵前の札差として聞えた某の老人から、その姿絵を頼まれました。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
やっと三年目になって、姿絵は出来上りました。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
使に立った札差の小僧は、豊国の手から、主人の姿絵を受取って、それに眼を落しました。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
「その孝心にめでて、お前の祖父さんを描いてやりたくは思うが、でも、遠い国許に居るのじゃ、そうもいかないし、ここで一つお前の姿絵を描いてやるから、それを国許へ送ってやったらどんなものだい。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は旅の思い出に、街角の似顔絵師に自分の姿絵を描いてもらうことにした。
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床の間に飾られた先代の姿絵は、今でも家族の生活を温かく見守っているかのようだ。
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肖像画の名手に依頼して、亡き母の優しかった面影をそのまま姿絵に残してもらった。
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