兄様
にいさま
名詞
標準
older brother
文例 · 用例
お前の抱かれてゐるは誰君、知れるかへと母親の問へば、言下に兄様で御座りませうと言ふ、さうわかればもう子細はなし、今話して下された事覚えてかと言へば、知つてゐまする、花は盛りにと又あらぬ事を言ひ出せば、一同かほを見合せて情なき思ひなり。
— 樋口一葉 『うつせみ』 青空文庫
今日癒りまする、癒つて兄様のお袴を仕立て上げまする、お召も縫ふて上げまする。
— 樋口一葉 『うつせみ』 青空文庫
T「今江戸中、 人気の焦点、 評判男の中村仲蔵が……」 「その仲蔵が……」と過去を想い起すらしく、T「二十年以前、 貧に窮して、 おやじ橋に捨てた 我子、仲蔵とは……」 「わしはこんな嬉しい事はない」 聞いてた雪枝が仕事の手を止めて、T「今晩にでも、 兄様に会いに行かれては?
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
と母が眼鏡を額のほうへ押し上げて女中に訊ねましたら、女中は、軽く咳をして、あの、芹川さまのお兄様が、お嬢さんに鳥渡、と言いにくそうに言って、また二つ三つ咳をいたしました。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
花子さんはそれを見て、「お兄様、お人形が焼けなかったからポチもきっと無事ですよ。
— 夢野久作 『犬と人形』 青空文庫
「ハイ」とお光は下て来て自分を見て、「オヤ兄様」と言ったが笑いもせず、唯だ意外という顔付き、その風は赤いものずくめ、どう見ても居酒屋の酌婦としか受取れない。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
真蔵は銘仙の褞袍の上へ兵古帯を巻きつけたまま日射の可い自分の書斎に寝転んで新聞を読んでいたがお午時前になると退屈になり、書斎を出て縁辺をぶらぶら歩いていると「兄様」と障子越しにお清が声をかけた。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
「どうして兄様、十一月でさえ一月の炭の代がお米の代よりか余程上なんですもの。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
作例 · 標準
「兄様、お帰りなさいませ」と、着物姿の妹が玄関で三つ指をついて、丁寧な挨拶で出迎えた。
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幼い頃の私は、文武両道で何でも完璧にこなす兄様の背中を、憧れの眼差しで追いかけてばかりいた。
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兄様は一族の跡取りとして厳格に育てられたが、二人きりの時にはいつも優しく私に接してくれた。
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