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濃彩

のうさい
名詞
1
標準
文例 · 用例
小母さんはいつものように濃彩色のクレエム・ペエパァを切っていた。
佐左木俊郎 街底の熔鉱炉 青空文庫
文学の形式として、その色彩やリズムとして濃彩なロマンティシズムがうけいれられながら、晶子の歌には当時の現実の中に生き、現実の良人と妻とのいきさつに生きる女として、五色の雲に舞いのぼったきりではいられない様々の感想、自己陶酔に終れない女の切実な気持などの底流をなすものがどっさりある。
宮本百合子 婦人と文学 青空文庫
いろいろ婦人画も見ましたが、善悪可否は別としまして、あの濃彩にはただ驚くより外はありません。
上村松園 虹と感興 青空文庫
カフエエより扇形して春の夜の銀座の雪を照らすともし火 銀座の雪の上へ家の入口の灯の明りが末広がりに扇の形をして射して居ると云ふのであるが、唯だの家とは内容の異つたカフエエの灯であることで、内の濃彩と外の淡彩で好い諧調が構成されてゐるやうに思はれる。
與謝野晶子 註釈與謝野寛全集 青空文庫
葡萄牙の、一|宣教師が献上したものを原図として、狩野派のお抱え画工がそれを美術化して、六曲一双に濃彩をもって描いたものなので、もとより地図というほど精密でもないし、また、原図そのものからして、まだ地球の全貌図としては、はなはだ幼稚|杜撰なものであったことはいうまでもない。
第六分冊 新書太閤記 青空文庫
等伯はまた濃彩のいはゆるダミ絵もかいた。
吉野秀雄 長谷川等伯の「松林図屏風」 青空文庫
(昭和七年七月)水浴させた文晁の画絵具の使い方を知らぬ画家 日本画の彩色法も、今はだいぶ手法も違って来たが、古来本格的に濃彩を施すのは相当修練を要したもので、土佐派でも狩野派でも胡粉のとき方からしてけいこさせる。
山本笑月 明治世相百話 青空文庫