炭籠
すみかご
名詞
標準
文例 · 用例
これを御覧」とお源は空虚の炭籠を見せて「炭だってこれだろう。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
「否、私は炭籠の炭ほか使ないよ」「そうら解った、私は去日からどうも炭の無くなりかたが変だ、如何炭屋が巧計をして底ばかし厚くするからってこうも急に無くなる筈がないと思っていたので御座いますよ。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
米桶に米があり、炭籠に炭があるといふことは、どんなに有難いことであるか、米のない日、炭のない夜を体験しない人には、とうてい解るまい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
そこを二三度も石炭籠を担いで往復してから急に上甲板の冷めたい空気に触れると、眼がクラクラして、足がよろめいて、鬼のような荒くれ男が他愛なくブッ倒おれるんだ。
— 夢野久作 『難船小僧』 青空文庫
しかし、もしかすると、此の火鉢を飛び越えさうな危険を感じたので、茶器と炭籠を石垣のやうに並べ出した。
— 一名――煙草蒐集家の奇禍 『火の点いた煙草』 青空文庫
あの唇を見て了へば、今夜は必ず、塀を乗り越す賊のやうに、火鉢と炭籠とを飛び越して了ふにちがひなかつたからである。
— 一名――煙草蒐集家の奇禍 『火の点いた煙草』 青空文庫
彼は一時間の間、火鉢と炭籠の高さばかりを計りながら黙つてゐた。
— 一名――煙草蒐集家の奇禍 『火の点いた煙草』 青空文庫
炭籠をさげて裏へ出て行くと、寒くて震えあがってしまう。
— 林芙美子 『生活』 青空文庫