真草
しんそう
名詞
標準
文例 · 用例
マクサ真草苅 荒野二者雖有 黄葉 過去君之 形見跡曾来師 マクサは真草でススキの美称であるが、しかし実際はこれを刈る時|仮令ススキが主体になっていてもそれに交りていろいろの草も一緒に刈り込まれるであろう。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
この歌は、巻一(四七)の人麿作、「真草苅る荒野にはあれど黄葉の過ぎにし君が形見とぞ来し」というのと類似しているから、その手法傾向の類似によって、此歌も亦人麿作だろうと想像することが出来るであろう。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
途上、切竹が捨てゝあつたので拾つて戻つた、小刀で削つて衣紋竹を拵らへた、その竹を活かしたのだが、ナマクサ法衣をひつかけられては、竹は泣くかも知れない。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
君よ、ナマクサと嘲るなかれ、セツシヨウを説くなかれ、ナマクサ坊主は遂にナマクサ坊主なり!
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
アイバチといふ魚を買つた、十銭、うまくていやみがなかつた(ナマクサイモノを食べたのは、何日目だつたかな)、そしてうどん玉二つ、五銭、これもおいしかつた、今晩は近来の御馳走だつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
思うに彼が、いや私がたとえナマクサ坊主であるにせよ、元古仏『半杓の水』の遺訓までは忘れることが出来ないからである。
— 種田山頭火 『私の生活』 青空文庫
隣り寺の隠居が惜気もなく、――といふよりも無慈悲に、銀柳を伐つてしまつた、ナマクサ坊主め!
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
『象は眞言宗と見えて、鼻の先に香を摘んで、香爐に不恰好に振り撒き、「象撒くサンザンだ(ノーマクサンマンダのもじり)ベーロシヤナア」と唱へて退く……虎は禪宗と見えて「南無迦羅タンノウ虎ヤー虎ヤー」(これでお仕舞)』と結んでゐる。
— 土井晩翠 『新詩發生時代の思ひ出』 青空文庫