欽慕
きんぼ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
adoration
文例 · 用例
されど、之等は要するに皆かれの末技にして、真に欽慕すべきは、かれの天稟の楽才と、刻苦精進して夙く鬱然一家をなし、世の名利をよそにその志す道に悠々自適せし生涯とに他ならぬ。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
蝸牛角上の傲児 世は挙げて彼等を欽慕す。
— 北村透谷 『想断々(1)』 青空文庫
鹿島祠を拜するにつけても、武甕槌命が經津主命と共に高天原より下りて國土を經營し給ひし偉績を欽慕せずんばあらず。
— 大町桂月 『鹿島詣』 青空文庫
』これは皆『代表的人物』から拔萃したのであるが、かういふ考へになつてからは、プラトーンを論じて、希臘人が均齊を愛したことや、定義に巧みなのを欽慕したり,ナポレオンを『惡大神』と罵倒しながらも、その勇氣と覺悟と行き屆いた手段と大常識とを稱揚したりしてある。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
吾輩は第二期の政論派すなわち民権論派を区別して四種となせり、その中に悒欝的論派とも言うべき慷慨民権派は実に薩摩なる西郷氏を欽慕するものに係る、しかして快活的論派とも言うべきはすなわち土佐の板垣氏に連絡ありてその根拠を大阪の立志社連に有せり。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
すなわち氏はかつて徳川家の食を食む者にして、不幸にして自分は徳川の事に死するの機会を失うたれども、他人のこれに死するものあるを見れば慷慨惆悵自から禁ずる能わず、欽慕の余り遂に右の文字をも石に刻したることならん。
— 瘠我慢の説 『瘠我慢の説』 青空文庫
余輩は大御神の風姿を拜み奉りて、功徳の盛なるを欽慕すると共に、また太陽崇拜の我國民の根本思想たりしを思はずんばあらず。
— 白鳥庫吉 『倭女王卑彌呼考』 青空文庫
或人々にとつては、その作品に對する欽慕は屡々戀に等しい。
— 購書美談 『貝殼追放』 青空文庫