築工
ちっこう
名詞
標準
文例 · 用例
そうしたものの、しかし雇われるところといってはマラバト・ナバトの兵営建築工事か、キャビテ軍港の石炭揚げよりほかになく、日給はわずかに八十セントで、うち三十五セントの食費を差し引かれるようではお話にならず、また、比律賓人の空家にはいりこんで自炊しながらの煎餅売りも乞食めく。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
「どうもわしはせはしなくつて、この一週間あまりといふものまるで家におちつくひまもなかつたが、新宿の××屋の建築工事な、あれが今度いよいよわしの手に落ちることにきまつたもんでな。
— 島木健作 『第一義の道』 青空文庫
長く染みこんで来た都会趣味や町住ひらしい家庭気分が彼には煩はしくなつてゐたが、その癖彼はまた二十年住みなれた家を離れかねて、家を造築して見たり、最近は又増築工事の時破壊された庭を造り直したりして、兎角居住に迷ひがちな自身の気持を強ひても落着けようとしてゐた。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
警視庁の建築工事に働きに行っている労働者の話なんだが、その労働者がこの工事をウンと丈夫に作っておこうと云ったそうだ。
— 小林多喜二 『独房』 青空文庫
江戸城西丸の新築工事ができ上がる日を待つと見えて、剃髪した茶坊主なぞが用事ありげに町を通り過ぎるのも目につく。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
この改築工事が終ると、小學校は、鬘を脱いで褞袍を着た女形役者のやうな姿になつた。
— 上司小劍 『太政官』 青空文庫
少佐は建築工学に明るいのだったから。
— 海野十三 『一坪館』 青空文庫
とにかくそのヤリウスは、百五十人ばかりの人を連れて来て、その建築工事をはじめた。
— 海野十三 『時計屋敷の秘密』 青空文庫