生節
なまぶし
名詞
標準
文例 · 用例
蓴子から贈物到着、いろ/\の品物がいれてあつた、鮪の生節はうれしいものだつた、おとなりへ、お寺へ少しづゝお裾分けした。
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
外山博士一流の「死地に乗入る六百騎」的の書生節とは違って優艶富麗の七五調を聯べた歌らしい歌であったが、世間を動かすほどに注意を牽かないでしまった。
— 内田魯庵 『美妙斎美妙』 青空文庫
豚肉なしの竹の子そぼろ煮、竹の子かにんじんがあれば、細かくきざんで、豚肉代わりに海糠か、生節ぐらゐ入れる。
— 片山廣子 『ともしい日の記念』 青空文庫
「何んという下手だろう」「セザール・フランクのソナタを虐殺するようなものですね」「まるで滅茶滅茶だ」「ヴォイングが非常に悪い」「あれ位は縁日の書生節でもひきますよ」 知るも知らぬも、素人も玄人も、廊下や運動場は悪評の渦を巻くような有様です。
— 野村胡堂 『天才兄妹』 青空文庫
うしろの空地では、書生節のヴァイオリンと、盲目乞食の浪花節とが、それぞれ黒山の聴手に囲まれて、一種異様の二重奏をやっていた。
— 江戸川乱歩 『猟奇の果』 青空文庫
ジンタ楽隊、安来節の太鼓、牛屋の下足の呼声、書生節、乞食浪花節、アイスクリームの呼声、バナナ屋の怒号、風船玉の笛の音、群集の下駄のカラコロ、酔っぱらいのくだ、子供の泣声、池の鯉のはねる音、という千差万別の楽器が作る、安っぽいが、しかし少年の思い出甘いオルケストラ。
— 江戸川乱歩 『猟奇の果』 青空文庫