生心
なまごころ
名詞
標準
文例 · 用例
糟谷はくるしく思うけれど、平生心おきなくまじわった老人であるから、そうきびしくことわれない、かつまたあまりにわかに変わった態度をして、いまの自分の不安心をけどられやせまいかというような、あさはかなみえもあった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
』などゝ不思議なる賞讃をすら博して、一|時は私の鼻も餘程高かつたが、茲に一|大事件が出來した、それは他でもない、丁度此船に米國の拳鬪の達人とかいふ男が乘合せて居つたが、此噂を耳にして先生心安からず、『左程腕力の強い日本人なら、一|番拳鬪の立合ひをせぬか。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
「あまり酔っては、平生心に抑制していることまでも言ってしまうということですよ。
— 竹河 『源氏物語』 青空文庫
烟草を吹いて、椽側に休んでゐると、門野が其姿を見て、「先生心臓の鼓動が少々|狂やしませんか」と下から調戯つた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
烟草を吹いて、縁側に休んでいると、門野がその姿を見て、「先生心臓の鼓動が少々狂やしませんか」と下から調戯った。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
野心ある実業家たる老主人公が、平生心にえがいていた、大工場の幻を見て、雪のベンチの上に瞑目すると、優しい昔の情人と、反目の生活を共にした未亡人とが、屍の上に握手して、幕は降りた。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
境遇の懐子たる純一ではあるが、優柔なeffemineな人間にはなりたくないと、平生心掛けている。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
境遇の懐子たる純一ではあるが、優柔な 〔effe'mine'〕 な人間にはなりたくないと、平生心掛けている。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫