食い溜め
くいだめ
名詞
標準
文例 · 用例
当時その近所にあった改造社のある知人は、ぼくが訪ねて行くと、かれの間借りしている家にぼくを案内して、「貘さん、いっぱい炊いてあるから食い溜めしておきなさい」と釜ごとぼくの前に置いたこともあったが、空腹には馴れている筈のぼくでも、馴れていることで空腹を克服することは不可能なのであった。
— 山之口貘 『私の青年時代』 青空文庫
その日は旅籠へもどって、忍び道具一式を調べ、さて晩になると、晩飯もたっぷり食い溜め、真夜半、出かけだしたものだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
中庸 左近衛権中将三河守家康は、強健な胃ぶくろのように、腹いっぱい食い溜めたものを、この半年は、――去年天正十年の下半期から、ことし十一年の上半期にわたる一年の収穫を、――悠々とただ消化するだけに留めていた。
— 第十分冊 『新書太閤記』 青空文庫