幻辞.com

語り聞かせる

かたりきかせる
動詞
1
標準
文例 · 用例
早速老人の人相を語り聞かせると、運轉手は合點しながら、「ヘエたしかに乘せましたよ。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
丑松は少年の時代から感化を享けた自然のこと、土地の案内にも委しいところからして、一々指差して語り聞かせる
島崎藤村 破戒 青空文庫
流石娘心の感じ易さ、暗く煤けた土壁の内部の光景をも物|羞しく思ふといふ風で、『ぼや』を折焚べて炉の火を盛んにしたり、着物の前を掻合せたりして語り聞かせる
島崎藤村 破戒 青空文庫
自分の忰に先祖のことでも語り聞かせるとなると、吉左衛門の目はまた特別に輝いたものだ。
第一部上 夜明け前 青空文庫
そうしたことを語り聞かせるのもまたそこの主人だ。
第一部上 夜明け前 青空文庫
横浜にはまだ市街の連絡もなかったから、一丁目ごとに名主を置き、名主の上に総年寄を置き、運上所わきの町会所で一切の用事を取り扱っていると語り聞かせるのも牡丹屋の亭主だ。
第一部上 夜明け前 青空文庫
松の内のことで、このかみさんも改まった顔つきではいるが、さすがに気のゆるみを見せながら、平素めったに半蔵にはしない自分の女友だちのうわさなぞをも語り聞かせる
第二部下 夜明け前 青空文庫
毎晩の囲炉裏ばたを夜業の仕事場とする佐吉はまた、百姓らしい大きな手に唾をつけてゴシゴシと藁を綯いながら、狸の人を化かした話、畠に出る狢の話、おそろしい山犬の話、その他無邪気でおもしろい山の中のお伽噺から、畠の中に赤い舌をぶらさげているものは何なぞの謎々を語り聞かせることを楽しみにした子供の友だちだ。
第二部下 夜明け前 青空文庫