ちび
ちび
名詞
標準
文例 · 用例
平顔の目の小さいくちびるの厚い、見たとおりの好人物、人と話をするにかならず、にこにこと笑っている人だ。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
おとうさんに対して失礼な」「だっておとうさんはつまらないことを聞くから……」「だまれこの野郎……」 両親はもう手もふるえ、くちびるもふるえてすぐにはつぎのことばがでない。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
ながれるごとき涙にぬれ私はくちびるに血潮をぬるああ なにといふ戀しさなるぞこの青ざめた死靈にすがりつきてもてあそぶ夜風にふかれ猫柳のかげを暗くさまよふよ そは墓場のやさしい歌ごゑです。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
ああこの溶けてゆく春夜の灯かげに厚くしつとりと化粧されたるひとつの白い額をみるちひさな可愛いくちびるをみるまぼろしの夢に浮んだ顏をながめる。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
ああいま春の夜の灯かげにちかくうれしくも屍蝋のからだを嗅ぎてもてあそぶやさしいくちびるに油をぬりつけ すべすべとした白い肢體をもてあそぶ。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
戀を戀する人わたしはくちびるにべにをぬつてあたらしい白樺の幹に接吻した。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
くちびるにばらいろのべにをぬつてまつしろの高い樹木にすがりついた。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
女ようすくれなゐにくちびるはいろどられ粉おしろいのにほひは襟脚に白くつめたし。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫