従武
じゅぶ
名詞
標準
文例 · 用例
S君がヘルメットにステッキで、硬直しきりの、後ろからどっかの国の侍従武官兼警視総監というところだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
それで今のような、社会民政党の跋扈している時代になっても、ウィルヘルム第二世は護衛兵も連れずに、侍従武官と自動車に相乗をして、ぷっぷと喇叭を吹かせてベルリン中を駈け歩いて、出し抜に展覧会を見物しに行ったり、店へ買物をしに行ったりすることが出来るのである。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
また或る人はずっとけちな望みしか抱いておらず、せめて侍従武官と一緒に散歩でもしているところを自分の友達や知合いや、赤の他人にまで見せびらかしてやりたいなどと寝床の中で夢想する。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
」 斯ういふやうなことを報告する者がありますと王様は、さもありなんとばかりに相好をくずしてお悦びになり、即座にその者には公爵の位と海軍大将の称号を与へ、侍従武官としておとりあげになります。
— 牧野信一 『船の中の鼠』 青空文庫
フリードリヒ大王以後統帥事項は当時に於ける参謀総長に当る者より直接侍従武官を経て上奏していたのであるが、軍務二途に出づる弊害を除去するため陸軍大臣が総ての軍事を統一する事となっていた。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
「将軍家寝所へお入りの後は、いよいよもって無礼講、招待された追従武士ども、呼び集められた遊女や女芸人、腰元どもとトチ狂い、乱痴気騒ぎするであろう。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
この士官は今に侍従武官に任命せられるだらうと皆が評判してゐたのである。
— VATER SERGIUS 『パアテル・セルギウス』 青空文庫
侍従武官にすると云ふ事はニコラウス第一世の時代には陸軍の将校として最も名誉ある抜擢であつた。
— VATER SERGIUS 『パアテル・セルギウス』 青空文庫