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潜然

せんぜん
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 潜然と心が泣きながら、自分で自分に後指さしながら、たゞ目の前の充実を計る。
水野仙子 脱殼 青空文庫
おやッと思う中に、その女はスルスルと枕辺へ這って来て、どうぞお助け下さい、ご免なすッて下さいと、乱れ髪を畳に摺付けて潜然と泣く。
岡本綺堂 お住の霊 青空文庫
涙を流し陳ずるを千仭深き波の底、*老いたる父の海神のかたへに神母きゝとりつ、銀波忽ちかきわけて煙霧の如く浮び出で、潜然として涙なる愛兒の前に向ひ坐し、 360玉手に彼をかい撫でて即ち彼に向ふて曰ふ、『愛兒なに故悲むや、何故心痛むるや?
ILIAS イーリアス 青空文庫
テチス其時潜然と涙そゝぎて答へ曰ふ、『あはれ汝をいかなれば不運に生みて育てけむ!
ILIAS イーリアス 青空文庫
血汐にまみれ汚されて、面貌分くるよしもなき死屍におの/\水灑ぎ、洗ひてかくて兩軍は 425熱き涙を潜然と流し車上に之をのす。
ILIAS イーリアス 青空文庫
斯くて敵軍侵し入る姿を眺め、潜然と涙を垂れて、身の破滅免れ得ずと觀じたるアカイア勢をポセードーン、訪ひて勇氣を振はしむ。
ILIAS イーリアス 青空文庫
』しかく陳ずる彼の言、アーンチロコス愕然と、聞きてしばらく哀悼に言葉もあらず、涕涙は二つの目より潜然と流れて聲は塞りぬ。
ILIAS イーリアス 青空文庫
315ペーレーデース眞先に逝きたる友の胸の上、その剛強の手を延して、涙はげしく潜然と悲しみ泣けり、譬ふれば顎髯長き獅子王の愛兒の群を、繁りたる森より人の奪ふ時、時におくれて歸り來て痛く悲み猛然と、 320憤怒の情に耐へやらず、彼らの跡を探るべく、谷のほとりを驅けるも斯くあらむ。
ILIAS イーリアス 青空文庫