矢風
やかぜ
名詞
標準
文例 · 用例
当時城内の武備の有様を見るに石火矢八十挺、二三十目玉から五十目玉までの大筒百挺、十匁玉より二十目玉までの矢風筒三百挺、六匁玉筒千挺、弓百張、長柄五百本、槍三百本、具足二百領、其他とあるから、相当なものである。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
と、闇黒の奥で弦音、とたんに矢風、藤吉とっさに泥に寝た。
— 無明の夜 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
修羅の矢たけびを、厨の外に聞き、六人の育児、一族の融和、それから着る物、焚く物の欠乏などとも、年月長く闘って、内助にかくれきりながら、しかも強く、敵の矢風の中に立つよりも強く、生きて生きて生きぬいて来るまでには、世の常の菩提のねがいとは異うものがあった。
— 大楠公夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
この栗毛は、迅いぞ、矢風や矛の光にも、たじろいだ事はない。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
矢風 不死人が、一同の雑言を、叱っていうには、「天子の多くは、愚蒙だというのは、当らない。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
シュッ、シュッ――と、あたりの草むらへも、無数の矢が、矢音をこぼし、矢風に戦ぎ立った。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
矢風の外へ出るのが重要である。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
景親たち平家勢は、「逃がすな」「あれこそ頼朝」 と、後から気づいて、真っ黒に追って来たが、高綱、景廉などの烈しい矢に、ばたばたと死者を出したので先鋒はみな身を伏せ、矢風が熄んだと見ると、猛然立って、追いかけた。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫