寝雪
ねゆき
名詞
標準
文例 · 用例
五 霜月にはいると北ぐにの野山はもう雪に蔽われる、昼のうち日が照って、昨日の雪が消えたと思うと、明くる朝はまたちらちらと粉雪になり、昏れがたには五寸も積もる、そういうことを繰返すうちに、やがて三四日も降り続いて寝雪となる日が来るのだ。
— 風鈴 『日本婦道記』 青空文庫
……その年は珍らしく寝雪が遅く、月のなかばを過ぎてもまだ土の見えるところが多かった。
— 風鈴 『日本婦道記』 青空文庫
「それにしても」と、義雄もその方に向き、おもさうに地上に直角に下る北海道のおほ雪??それが、もう所謂消えない寢雪だ??を見て、「僕がそんな意志の不疎通があなたと天聲君との間にあつたとは、初めから知らう筈がないです。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
そして、「氣象考」の生氣ある説を考へると、自分もそれ以上に生々主義を主張してゐたのだが、自分の氣力も生々慾も、却つて、その説から、外存的に、たとへば地面がけふこの頃の寢雪に壓迫されて、段々凍つて行く樣だ。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
かう考へて、寢雪の切々と降りしきる音を聽きながら、義雄はぼんやりと横になつてゐる。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
この冬中の寢雪として川床に積み重なつた雪のうへだ。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
「それにしても」と、義雄もその方に向き、おもさうに地上に直角に下る北海道のおほ雪――それが、もう所謂消えない寢雪だ――を見て、「僕がそんな意志の不疎通があなたと天聲君との間にあつたとは、初めから知らう筈がないです。
— 憑き物 『――泡鳴五部作』 青空文庫