心長閑
こころのどか
形容動詞
標準
文例 · 用例
それ/\」と、坊主をして煙草盆を遣はしたまふに、彼の男少しく狼狽へ、「こはそも、其に置かせたまへ」と慌だしく出でむとすれば、「いや/\其處にて煙草を吸ひ心長閑に談せよかし」と人弱らせの御慰、賢くは見えたまへど未だ御幼年にましましけり。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
心長閑な谷村さんは、昨夜越して来たばかりのせいか、自分の泊つている下宿の名前さへも忘れていたのでありました。
— 林芙美子 『清修館挿話』 青空文庫
尺に五寸の大海に鱗々の波が立ったり、青空や白雲が心長閑に浮いて居る日もある。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
ブラ下げた長い長い二本の縄の脚を軟らかに空中に波うたして、紙鳶は心長閑に虚空の海に立泳ぎをして居る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫