生平
きびら
名詞
標準
文例 · 用例
新聞記者になって、一生平凡に暮すのだ、と言って一家を明るく笑わせていた。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
なるたけ、あたり触りの無いように、ほどよく遊んでいい気持になって、つつがなく大学を卒業し、背広を新調して会社につとめ、可愛いお嫁さんをもらって月給のあがるのをたのしみにして、一生平和に暮すつもりで居るんでしょうが、お生憎さま、そうは行かないかも知れませんよ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
君兪は名家に生れて、気位も高く、かつ豪華で交際を好む人であったので、九如は大金を齎らして君兪のために寿を為し、是非ともどうか名高い定鼎を拝見して、生平の渇望を慰したいと申出した。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
坦坦翁、生平実に坦坦、文章学術を以て太祖に仕え、礼儀の制、選挙の法を定むるの議に与りて定むる所多く、帝の洪範の注成るや、命を承けて序を為り、勅修の書、省躬録、書伝会要、礼制集要等の編撰総裁となり、居然たる一宿儒を以て、朝野の重んずるところたり。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
君兪は名家に生れて、気位も高く、且つ豪華で交際を好む人であつたので、九如は大金を齎らして君兪の為に寿を為し、是非とも何様か名高い定鼎を拝見して、生平の渇望を慰したいと申出した。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
「見せてくれぬか」「はい、穢いところでございますが、どうぞおあがり下さい」 侍は年のころ四十前後で、生平の帷子に、同じ麻を鼠に染めた打っ裂き羽織をきて、夏袴をつけて雪駄をはいている。
— 一つ目小僧 『半七捕物帳』 青空文庫
ところが玄関に出てみると最初に見かけた通りの大前髪に水色襟、紺生平に白|小倉袴、細身の大小の柄を内輪に引寄せた若侍が、人形のようにスッキリと立っていた。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
平馬様……」 そう云ううちに、袈裟がけに斬り放された生平の襟元がパラリと開いた。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫