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峭壁

しょうへき
名詞
1
標準
文例 · 用例
一つは自分が歩きながらに絶えず変化して吾が眼前に展開し行く奇岩や峭壁や、高い嶺の雲や近い渓の水や、風に揺ぐ玉樹の翠や、野に拡がる※草の香や、姿を見ぬ仙禽の声や、然様いう種々のものの中を、吾が身が経巡り、吾が魂が滾転し行いて、そして自分というものを以て幽秘神異の世界を縫って行く場合である。
幸田露伴 穂高岳 青空文庫
然し霧の過ぎ去ると共に、船の右舷に被ひかゝるやうに聳え立つた惠山の峭壁を見た時には、船員も船客も呀と魂を消して立ちすくむのみだつた。
有島武郎 潮霧 青空文庫
この惡魔のやうな峭壁は遂に船をかみくだいてたに違ひないのだ。
有島武郎 潮霧 青空文庫
そこのあたりも右は瀧につづいた峭壁で左は溪で狹い所である。
長塚節 松蟲草 青空文庫
峭壁のもとにはさつきの尼が出しておくといふ小さな四阿の店があつてそこに一人廿ばかりの女が居る。
長塚節 松蟲草 青空文庫
峭壁に後を向けてうんと力を入れる。
長塚節 松蟲草 青空文庫
更に向き直つて峭壁の瘤につかまりながら打たれつゝ瀧の端からはじまで過ぎて行く。
長塚節 松蟲草 青空文庫
瀧の側に立つて仰いで見ると峭壁の上部からさし出た槭の枝が疾風に吹き撓められるやうに止まずさわ/\と動いて居る。
長塚節 松蟲草 青空文庫